前回からの続きです。
弱っているキチョウを心配しながらも帰りの階段を降りていると、右側の石碑の下に、同じ種のキタキチョウが越冬しているのを見つけました。

ここならさっきのキチョウも越冬できるかもしれない、と思い、さきほど放した茂みへ戻りました。キチョウは動いて隠れましたが、捕まえました。
しかし、もしかしたら草をつかむ力そのものが弱って飛ばされたのかもしれない、とも考えました。そのためキチョウを試しに小枝に止まらせようとしたところ、チョウは前足で枝をつかもうとするものの、落ちてしまいました。
それにこのキチョウは、ずっとストロー(口吻)がくるくるしたまま出っぱなしなのです。しまう力も弱っているのかもしれません。

一連の様子を見て、持ち帰って暖かい空間で休んでもらい、飲めるようなら砂糖水をあげ、回復させることはできないかと考えました。以前もそういったことをした経験があったためです。しかしその時は玄関先でのことでした。ここは車で20分はかかる距離、安全に運べるか少し不安です。でも、とりあえずサングラスのケースに入れたところ、静かにしているので持って帰ろうと決めました。
途中キチョウは少し動いたようで、片足の半分がケースのビロードにひっかかって、取れてしまいました。なんとなくあった不安が現実になったわけです。やはり移動距離がありすぎました。
ともかくも帰宅したのち、虫カゴに入れ、くしゃくしゃにしたキッチンペーパーの上で安静にさせました。キチョウは横たわったまま、じっとしています。砂糖水を湿らせたティッシュを前足に触れさせてみましたが、反応はありません。また明日やってみようと思い、そっとしておきました。
翌日もキチョウは同じ体勢のままでした。生気がなく、取り出してみても、キチョウはまったく動かず。顔を見ると、あの美しい透き通った目ではなく、半分以上が濁っていました。そこでもう死んでしまったのだと悟りました。
残暑の頃、セミが仰向けでよく転がっています。あれは寿命が尽きつつある段階で体力が無くなり、木に止まるだけの筋力がなくなった末の姿。つまりこのキチョウもあの状態だったのか、と気付かされたのでした。まったく、余計なことをしてしまったものです。最期ぐらい静かに逝かせてあげれば良かった…。
ただ、今回は1月中旬のことですが、前に家で介抱し無事越冬させたキチョウは12月下旬に倒れていました。まだ12月なら余力があるのかもしれません。