西日本のとある自然保護の施設で、定期的に開催されている観察会に参加しました。この日は曇りで暖かく、歩くにはちょうどいい気温でした。
前回の記事でも触れた動植物に詳しいスペシャリストの先生たち3人が揃って同行する、この施設内の動植物を見つけて楽しむイベントです。
冬なので生きものは減ってきますが、そんな中だからこそ、何かが見つかったら嬉しいものです。ここでは厳選した(厳密には”厳選”するほどいなかったけど)生きものをご紹介します。今回はこの昆虫から。
もう大した昆虫はいないだろう、とたかを括ってマクロレンズを置いてきたことを後悔させてくれたのが、「雪虫(正式和名:トドノネオオワタムシ)」です。体長約5ミリ。なんとか頑張って撮影したものをご覧ください。

その名の通り、体は雪のようにふわふわとしています。これは体内から生成されたロウ物質でまとわれているため、そのように見えるのです。ロウ物質なので、実際はふわふわとはしていないかもしれませんね。
ちなみに、わたしの好きなアミガサハゴロモの幼虫も同じく、このロウ物質をもっと派手に付けており、それを使って跳んだりします。両者は同じヨコバイ亜目に属します。
また、井上靖さんの小説「しろばんば」のタイトルにもある”しろばんば”とはこの雪虫のことだそう。小学生の頃だったか、教科書で読んで、モヤ〜と想像していたものを思いがけず見られてうれしかったです。想像上では真っ白な虫でしたが、実際は翅が黒だったりと、完全な白ではありませんね。
さて、「雪虫」は冬の季語ということで、一句。
雪虫や
夕闇とけゆ
冬至かな
(一年のうちで昼の時間が最も短い日、雪虫はふわふわと揺れ飛びながら、夕暮れの空の彼方へ消えていった)